東京と北海道の南部に位置する函館市は約820km離れており、この距離は東京と広島の距離に匹敵します。長距離の移動ですが、ここでは、東北・北海道新幹線と飛行機(格安航空券)での移動について、東京駅と函館駅を起終点として比較していきます。
東北・北海道新幹線
東京⇔東北・北海道新幹線 ⇔新函館北斗⇔函館ライナー⇔函館 | 指定席: 23,560円 グリーン席: 32,430円 グランクラス:40,810円 | 約3時間57分~ |
はじめに新幹線を見ていきます。新幹線は最速列車のはやぶさ号を利用します。運賃は指定席で23,560円。自由席はないので、この料金が通常運賃の最安値です。移動時間は最速で約4時間です。停車駅は上野、大宮、仙台、盛岡、新青森です。ただし、はやぶさ号の一部は八戸と新青森以北の各駅に停車する列車があります。その場合、移動時間は約4時間30分です。運行本数は2時間に1本、または1時間に1本で運行本数は多くありません。そのため、時間帯によっては最速の列車に乗れないことがあります。
なお、函館市内へ向かう場合は、新函館北斗から在来線の函館ライナーに乗り換える必要があります。函館ライナーの移動時間は15分、待ち時間も含めると約25分です。この列車は新幹線と接続したダイヤになっているため、乗り換えるだけであれば、待ち時間が長くなることはありません。函館ライナー以外にも、函館本線の普通列車と、北斗号(特急列車)も停車するため、それら列車に乗り換えて市内へ向かうこともできます。乗車券は一括で購入できるため、在来線区間のみ別に切符を購入する必要は合いません。在来線を利用しないのであれば、新幹線区間のみで440円安くなります。
上記の運賃は、下記の割引切符を利用することでさらに安くできます。
トクだ値1 | はやぶさ指定席 | 22,490円 | 当日までの購入。5~10%割引 ICカードでのみ利用可能 |
トクだ値14 | はやぶさ指定席 | 17,850円 | 13日までの購入。25~30%割引 ICカードでのみ利用可能 |
新幹線eチケット | はやぶさグランクラス はやぶさグリーン はやぶさ指定席 | 40,720円 32,340円 23,470円 | ICカードのみで乗車可能 |
往復+学生割引 | はやぶさグランクラス はやぶさグリーン はやぶさ指定席 | 37,320円 28,940円 20,070円 | 28%の割引率で計算 |
往復割引 | はやぶさグランクラス はやぶさグリーン はやぶさ指定席 | 39,560円 31,180円 22,310円 | 乗車券のみ1割引 |
学生割引 | はやぶさグランクラス はやぶさグリーン はやぶさ指定席 | 38,320円 29,940円 21,070円 | 学割証明必要。乗車券のみ2割引 |
これらのうち、最も安いのはトクだ値14の17,850円、次が学生と往復割引の20,070円です。値段が高いので割引率の高い切符ほど、料金の差額が大きくなります。また、この区間は601kmを超えるので、往復で利用する場合は、往復割引(1割引)が利用できます。一方この区間は、JREPOINTを使用したグリーン席やグランクラス席の割引はありません。
ツアー(JR)・飛行機
次にツアーを見ていきます。ここでは新幹線の個人ツアーを例に取り上げます。
東京⇔東北・北海道新幹線 ⇔新函館北斗⇔函館(往復・ホテル1泊) | すべて込み 28,800円 ~35,200円 | 別々に予約した場合 新幹線:23,560円x2 ホテル:5,000円~ 合計:52,120円~ |
このツアーの場合は、最安値28,800円からあります。これらを別々に予約すると52,120円、差額にすると23,320円安くなります。最高値の35,200円でも16,920円です。新幹線の往復運賃は、通常の運賃で計算していますが、これをトクだ値14で計算すると、40,700円です。比較すると、それでもツアーの方が安いです。なお、ツアーの最安値金額はオフシーズンの料金ですが、雪のない夏のシーズンはもう少し高くなります。また、ホテルの代金は安いビジネスホテル5,000円を基準にしたもので、高いホテルにした場合は、上記の金額よりも高くなります。
料金もさることながら、ホテルと交通費を一括で予約できるので、別々に予約する手間を減らせます。
飛行機(格安航空)
東京駅⇔山手線・モノレール⇔ 羽田空港⇔JAL・ANA⇔函館空港 ⇔連絡バス⇔函館駅 | 鉄道:690円 飛行機:~13,570円~ バス:500円 合計:~14,760円~ | 鉄道:約30分 飛行機:1時間30分 バス:30分 合計:3時間30分 |
最後に飛行機を見ていきます。飛行機は羽田空港と函館空港間のJAL・ANAを利用します。航空券は安いもので13,570円で、合計で14,760円です。これは行楽シーズンになると高くなり、逆に冬のオフシーズンはこれよりも安くなります。移動時間はすべてを合わせて約3時間30分です。運行本数はJAL・ANA合わせて1日8本あります。
このルートの場合、乗り換えが計3回あります。東京側では浜松町の山手線とモノレールと羽田空港、函館側では空港からの連絡バスです。東京駅で乗り換えがあれば4回に増えます。
東京函館間の比較で特徴的なのは、飛行機が特別速いわけではない点です。移動時間の面では新幹線のはやぶさ号と30分程度しか変わりません。もっとも、はやぶさ号でも4時間以上かかる列車もありますし、飛行機の待ち時間を減らせば3時間程度になり、こちらの方が速く移動できるともいえるでしょう。ただし、函館の目的地によっては、新幹線の方が有利になり飛行機が不利になります。例えば目的地が函館本線沿線で、空港からのアクセスが不便であれば、飛行機が不利になるでしょう。
なお、北海道新幹線は、盛岡~青森間、青函トンネル区間で将来速度アップが予定されており、これによって移動時間が短縮されます。これによって、飛行機との差が小さくなり、新幹線が優勢になる可能性もあります。
別の面で比較すると、飛行機の最終便は17時35分のANA便なのに対して、新幹線の新函館行きの最終列車は19時20分です。少しでも長く東京に滞在したいのであれば、新幹線が選択肢になるでしょう。
運賃の面ではどうでしょうか?最安値を比較すると飛行機の方が安いものの、航空券の値段は変動するため、場合によっては新幹線と変わらないか高くなる場合もあります。
まとめ
以上をまとめると、単純な比較では運賃、移動時間でも飛行機に分があります。安いツアーが見つかれば、ツアーが圧倒的に安いでしょう。ただし、運賃は変動するため、ケースによっては変わらないか、新幹線の方が安くなることがあります。移動時間では飛行機が速いですが、最速のはやぶさ号との比較では30分程度しか変わりません。目的地によっては新幹線の方が有利になるケースもあります。個々のケースに合わせて良い手段を選ぶのが良いでしょう。
移動手段比較早見表
移動手段 | 通常運賃 | 最安値運賃 | 移動時間 | 備考 |
新幹線 はやぶさ | 23,560円 | 17,850円 | 3時間57分 ~4時間30分 | 最安値はトクだ値14 |
ツアー | 11,900円 ~15,100円 | ———- | 〃 | 運賃は、ホテル代5,000円を引いて 片道の運賃で計算 |
飛行機 | ~14,760円~ | ———- | 約3時間30分 |