JR九州のインターネット予約サービスとは、JR九州におけるオンラインの切符の予約、購入サービスです。JR九州とJR西日本の特急と、九州・西九州・山陽新幹線において利用できるサービスです。ICカードのSUGOCAなどとひもづけて利用もできます。ここでは、購入できる割引切符と、そのサービスの特徴、メリット、デメリットについて解説していきます。
eきっぷ
インターネット予約サービスでは通常の切符以外に、eきっぷを購入できます。eきっぷとは、JQカードを所持していることで利用できるオンライン専用の切符です。この切符は、通常の切符に比べて運賃が少し安くなります。
区間 | 通常切符 (指定席) | eきっぷ (指定席) | |
博多⇔九州新幹線⇔鹿児島中央 | 10,440円 | 10,280円 | |
博多⇔山陽新幹線⇔新大阪 (自由席/指定席) | 14,750円 /15,820円 | 14,700円 /15,620円 | |
久留米⇔九州・山陽新幹線 ⇔新山口 | 7,540円 | 7,400円 | |
広島⇔山陽新幹線⇔岡山 | 5,940円 | 5,840円 | |
博多⇔九州新幹線・特急⇔長崎 | 7,410円 | 6,810円 | |
筑後船小屋⇔九州新幹線⇔八代 | 4,260円 | 4,190円 |
いずれも、通常切符のうち、指定席とグリーン席の切符が300円~100円安くなります。博多新大阪間については、自由席の料金も50円安くなります。
eきっぷの特徴
eきっぷは山陽・九州新幹線と西九州新幹線で利用できる切符です。この切符には以下の特徴があります。
- 利用時期に制限がない。
- 座席指定が可能。
- 予約変更は出発前であれば無制限で可能。
- 上記の新幹線であれば、すべての駅で利用可能。
- JR九州・JR西日本のうち、新大阪以西の新幹線、特急で利用可能。
- すべての列車、自由席・指定席・グリーン席で利用可能。
- 切符は、JR九州とJR西日本のみどりの窓口、または発券機で受け取り可能。
- 使用前であれば、出発直前までに払い戻しが可能。払戻金(220~560円)を差し引いて返金される。この手数料は他の割引切符でも適用される。
JR西日本のeきっぷと、特徴はほとんど同じです。注意すべきはJR四国、JR東海、JR東日本の区間では利用できない点です。特に九州から九州・山陽・東海道新幹線を乗り継いで移動する場合、オンラインで切符の購入自体はできますが、eきっぷと、それ以外の割引切符は購入できません。
ネット予約で利用できる割引切符
次にインターネット限定で購入できる新幹線の割引切符を紹介していきます。これらはJR九州のエリアで利用できる切符に限られます。
九州ネットきっぷ
JR九州のエリアで九州新幹線と、その他の主要都市間の特急で移動する場合に利用できます。ネット限定ですが当日購入が可能です。九州新幹線については、主要駅以外でも多くの駅で利用できるのが特徴です。主に指定席が中心ですすが、グリーン席、自由席も利用できます。
区間 | 通常の運賃 (自由席) | 通常の運賃 (指定席) | 九州ネットきっぷ | |
博多(市内)⇔九州新幹線⇔鹿児島中央 | 10,110円 | 10,440円 | 10,110円 | |
博多⇔九州新幹線⇔新大牟田 | 3,070円 | 3,800円 | 3,070円 | |
新玉名⇔九州新幹線⇔川内 | 6,100円 | 6,830円 | 6,100円 |
料金は、300円~800円程度で、割引率は高くありません。この切符は、指定席の料金が自由席の料金と同じになるのが特徴です。利用できる区間は上記以外にも佐世保方面、大分、宮崎など九州の各都市への特急列車があります。この切符は、受け取り前であれば何回でも変更が可能です。受け取り後の場合は、駅の窓口に申し込むことで1回に限り変更ができます。
九州ネット早特
事前に購入することで割引を受けられる切符です。JR九州のエリアの新幹線、特急で利用できます。早特切符には早特3(3日前)、早特7(7日前)の2つの種類があります。このうち、新幹線で利用できるのは、早特7のみです。下記は具体例です。
区間 | 通常の運賃 | 早特7 | |
博多⇔九州新幹線⇔熊本 | 4,700円 | 3,400円~4,200円 |
この切符は博多熊本間のみ利用できます。料金は通常の運賃よりも500円~1,300円安くなります。指定席の通常運賃は5,230円ですので、それを比較すると1.030円~1,830円安くなる計算です。この切符は、特定の便の指定席を予約しますが、予約後の変更が一切できません。そのため、変更する場合は、一度取り消して再度購入する必要があります。
かもめネット早特きっぷ
西九州新幹線と特急「かもめ」の博多長崎間と佐賀長崎間で利用できる割引切符です。切符には早特3(3日前まで購入可能)と早特7(7日前まで購入可能)の2つがあります。
区間 | 通常の運賃 | 早特3 指定席 | 早特3 グリーン席 | 早特7 指定席 |
博多⇔特急・西九州新幹線⇔長崎・浦上 | 5,520円 | 3,600円 | 4,800円 | 3,200円 |
佐賀⇔特急・西九州新幹線⇔長崎・浦上 | 4,100円 | なし | なし | 3,000円 |
いずれも通常の自由席運賃よりも安くなります。博多長崎間では、早特3で1,920円、早特7で2,320円、佐賀長崎間では1,100円安くなります。早特3については、予約後も3日前まであれば変更が可能ですが、早特7の変更は一切できません。受け取り後は、いずれも変更はできず、一度取り消してから、再度を購入する必要があります。
B&Sみやざきネットきっぷ・早特
この切符は、九州新幹線の博多新八代間と、新八代から宮崎までの高速バスが1セットになった割引切符です。切符には以下の種類(ネットきっぷ、早特7、早特14)があり、早特は7日前と14日前購入が必要な切符の2種類あります。それぞれ通常の運賃よりも安くなります。
区間 | 通常運賃 | ネットきっぷ | 早特7 | 早特14 |
博多⇔九州新幹線⇔新八代 ⇔高速バス⇔宮崎 | 9,890円 | 7,500円 | 6,500円 | 5,500円 |
通常運賃が10,000円近くかかるのに対して、割引切符では最大45%近くも安くなります。ネットきっぷは当日購入も可能な切符で、指定席であることや当日に変更ができない点を除けば、大きな制約はありません。早特切符に関しては予約後の変更が一切できないので、変更する場合は、一度取り消して再度購入する必要があります。
なお、ネットきっぷには、博多宮崎以外にも、博多人吉、博多えびの、博多小林、博多都城間も設定されており、通常運賃よりも安くなります。これら都市へは、途中の高速道路のバス停に停車するため、市街地へのアクセスを考えると便利ではありませんが、福岡からの移動を考えると、鉄道の乗り換えの手間を減らせ、移動時間も短縮できるので使い勝手の良い切符です。
九州新幹線2枚きっぷ
区間 | 通常の運賃 | 2枚きっぷ | |
博多⇔九州新幹線⇔鹿児島中央 | 10,110円 | 20,200円 (10,100円) | |
博多⇔九州新幹線⇔熊本 | 4,700円 | 9,400円 | |
博多⇔九州新幹線⇔新鳥栖 | 1,440円 | 2,880円 |
こちらは発券機で購入できる九州新幹線の回数券です。2枚つづりとなっており、実質的な往復切符と同じです。ただし割引があるわけではなく、あくまで往復分の切符が2枚購入できるだけです。九州新幹線の博多からすべての駅間で利用できます。博多以外の駅とその他の駅間では利用できません。
ExサービスのEx予約・Exスマートも利用可能
ネット予約では、JR東海のEx予約・Exスマートも利用できます。また、JR九州・山陽・東海道新幹線の東京~鹿児島中央間で、予約とExサービスで販売されている早特、e特急券が購入できます。Exサービスの詳細については、こちらのページで解説しています。
e5489の早特きっぷも利用可能
ネット予約では、JR西日本のe5489で購入できる早特切符(スーパー早特きっぷ)も購入できます。この切符は、山陽・九州新幹線を利用する場合にのみ利用できます。詳しくはこちらのページで詳しく解説しています
JQカードとポイント制度(JRキューボ)とは?
JQカードとは、JR九州が発行しているクレジットカードです。割引のあるe切符を購入する場合に、このカードを所持していることが必要になります。カードには複数の種類があり、クレジットカードとしての機能だけでなく、複数の機能を持ち合わせています。カードの機能をまとめると以下になります。
- クレジットカードとしての機能
- SUGOCAへオートチャージが可能
- JQポイントをためられる
- JR東海のエクスプレスサービスが利用可能(一部のカードのみ)
- SUGOCAのICカードとして利用可能(一部のカードのみ)
- 西日本シティ銀行のキャッシュカードとして利用可能(一部のカードのみ)
また、このカードを持っていることで、eきっぷだけでなく、JRグループのホテル料金の10%割引、提携の飲食店の料金割引、駅レンタカーの料金10%割引などのサービスが受けられます。ICカードとしての機能、ポイント、多くの割引サービスなどが受けられるので、持っておいて損はないカードだと思います。
JQキューポ
JQキューポとは、上記のカードや、JR九州のネットサービスの購入でためられるポイントです。200円ごとの利用で1ポイントがたまり、ためたポイントは、ショッピングや鉄道とバスの利用、そのほか、他のポイント(Vポイント、Gポイント、JALとANAのマイル)に交換できます。
e5489のWesterpointや、えきねっとにおけるJREPOINTと同じものと考えてよいでしょう。このポイントはSUGOCAのチャージに充てられるので、そこから、鉄道やバスの運賃に充てられます。ただし、SUGOCAでは新幹線に乗車できないため、このポイントでは、新幹線の切符購入に直接利用できません。