北陸新幹線の割引切符はいくつかの種類があります。JR東日本のえきねっとから購入できる切符、JR西日本のe5489から購入できる切符、そのほかツアー会社から購入できる往復切符(ツアーパック)などがあります。それぞれの切符について特徴や割引率を見ていきます。
e5489
e5489とは、JR西日本が提供するインターネット(パソコン・スマートフォン)での指定券・乗車券予約サービスです。割引切符にはいくつかの種類があり、新幹線eチケット、J-West会員限定(クレジットカード)のeきっぷ、eチケット早得1・14(1日前および14日前に購入)があります。それぞれの割引率を比較してみていきます。
区間 | 通常運賃 | eチケット | J-West会員 e切符/IC切符 | 早得1 | 早得7 | 早得14 | |
東京⇔北陸新幹線 ⇔福井 | 15,810円 | 15,610円 | 15,280円/ 15,180円 | 14,040円 | 10,920円 | ||
大阪(市内)⇔ ・特急, 北陸新幹線 ⇔富山 | 10,290円 | 9,620円 | 9,250円 | 8,730円 | |||
名古屋 ⇔特急, 北陸新幹線 ⇔金沢 | 9,080円 | 8,170円 |
区間 | 通常運賃 | e北陸乗継チケットレス | |
大阪(市内)⇔北陸新幹線⇔富山 | 10,290円 | 7,290円+在来線部分の運賃 |
料金はいずれも指定席の値段です。eチケットは自由席、グリーン車、グランクラス席も利用できます。最も高い割引率は早得14(2週間前に購入が必要な切符)で約3割です。次が早得1、および早得7(1日前、または7日前までに購入が必要な切符)で約1割です。
北陸乗り継ぎチケットは、J-West会員限定の切符です。この切符の価格は北陸新幹線の乗車券と指定席特急券、およびサンダーバードの特急料金を含んだ値段です。サンダーバードを利用する区間の普通運賃(2,310円)は含まれておらず、購入時に別途購入する必要があります。合計金額は9,600円で割引率は約1.3割です。
割引率の高い切符は特定区間に限定されます。すべての駅で利用できるわけではありません。早得切符の利用区間は特定区間のみに限定されています。詳細は下記より確認できます。
なお、購入方法は基本的にオンラインで行います。e5489で交通系ICカードを登録しておけば、当日カードを利用することで、チケットレスで改札を通過できます。
えきねっと(トクだ値)
えきねっとトクだ値とは、JR東日本とJR北海道が運行する新幹線、特急において利用できる格安切符です。ウェブサイト「えきねっと」内で予約・購入ができ、通常の運賃よりも大幅に安い料金で利用できます。切符にはeチケット1(1日前までに購入が必要)、eチケット14(2週間前までに購入が必要)の2種類があります。期間限定で、さらに高い割引率の切符を販売することもあります。
区間 | 通常運賃 | eチケット1(10%) | eチケット14(30%) | |
上越妙高⇔北陸新幹線はくたか⇔大宮 | 8,570円 | 7,520円 | 5,850円 | |
敦賀⇔北陸新幹線かがやき⇔東京 | 16,360円 | 14,530円 | 11,310円 | |
長野⇔北陸新幹線あさま⇔高崎 | 5,150円 | 4,450円 | 3,450円 | |
軽井沢⇔北陸新幹線あさま (グリーン車)⇔東京 | 8,290円 | 設定なし | 5,650円 |
えきねっとトクだ値の割引切符は、JR東日本の主要駅から北陸新幹線の各駅へのみ設定がされています。そのため、JR西日本のみで完結する場合(敦賀⇔富山など)、主要駅以外で利用する場合(上田⇔上越妙高等)は利用できません。
JR東日本のえきねっとの割引切符の詳細はこちらのページで解説しています。
日本旅行の往復切符(ツアーパック)
次に紹介するのは、日本旅行のツアー会社が販売している個人ツアーです。これらを利用することで、通常運賃よりも安い料金で移動できます。
- 北陸発→大阪日帰り往復切符
区間 | 通常運賃(富山駅~大阪駅) | ツアー価格 | |
敦賀~富山間の駅 ⇔北陸新幹線つるぎ サンダーバード⇔大阪駅 | 往復:20,980円 片道:10,490円x2 | 13,100円~20,400円 |
北陸新幹線の敦賀富山間の駅から大阪への日帰り旅行のみで利用できるツアーです。料金の変動はありますが、最長区間である富山大阪間が往復20,980円であることを考えると、これよりも安い値段であれば、ツアーの方が安く移動できます。
- 北陸発→京都日帰り往復切符
区間 | 通常運賃(富山駅~大阪駅) | ツアー価格 | |
敦賀~富山間の駅 ⇔北陸新幹線つるぎ サンダーバード⇔京都駅 | 往復:18,040円 片道:9,020円x2 | 11,300円~16,600円 |
・北陸発→東京日帰り往復切符
区間 | 通常運賃(敦賀駅~東京駅) | ツアー価格 | |
敦賀~糸魚川間の駅 ⇔北陸新幹線かがやき・はくたか ⇔東京駅 | 往復:31,660円 片道:15,830円x2 | 21,500円~22,900円 |
- 北陸発→長野・軽井沢日帰り往復切符
区間 | 通常運賃(敦賀駅~軽井沢駅) | ツアー価格 | |
敦賀~糸魚川間の駅 ⇔北陸新幹線かがやき・はくたか ⇔長野・軽井沢駅 | 往復:26,620円 片道:13,310円x2 | 14,000円~25,800円 |
これらツアーは、1名から申し込みが可能で、クレジットカード支払い、宅配と、座席の指定(指定席)が可能です。
その他の格安切符
これ以外の割引切符としては、日本に滞在中の外国人が利用できる北陸片道きっぷ(関西⇔北陸)、金券ショップの切符(回数券のばら売り、株主優待券)などがあります。金券の格安切符については、下記に具体例を上げていきます。
区間 | 通常運賃 | 回数券バラ売り | 株主優待券 | |
東京(都内)⇔北陸新幹線 はくたか・かがやき⇔金沢駅 | 13,850円 | 13,250円 | ————– | |
東京(都内)⇔北陸新幹線⇔長野駅 | 7,810円 | 7,800円~ | 合計:6,680円~ 切符:4,680円 株主優待券:2,000円~ |
回数券自体は2022年に廃止されたので、今後は金券ショップでも見かけなくなります。株主優待券は、優待券を利用し切符を購入することで、乗車券、特急券いずれかを4割安くできます。優待券を別に購入する必要があるので、その分の料金がプラスされますが、それでも通常運賃よりも安くできます。
まとめ
以上をまとめると、一番使い勝手の良いのは、割引率は低いもののすべての駅間で利用できるe5489のeチケット、金券ショップの切符、その次がeチケット早得です。えきねっとトクだ値は、一部の駅間のみ利用可能で、JR西日本区間のみでは利用できず、ツアーパッケージも日帰りのみという縛りがありますが、割引率が高いのが特徴です。特にツアーに関しては、往復運賃よりも1万円以上安くなる場合もあります。いずれも、条件が整えば、コストパフォーマンスが高い切符です。