バリ得とは?
バリ得とは、山陽・九州新幹線で普通運賃よりも大幅に安く利用できる格安切符(指定席切符)です。日本旅行が販売しているツアーパッケージで山陽新幹線のこだま・ひかり、九州新幹線のつばめ・さくら、主に各駅停車と一部の速達型の新幹線で利用できるものです。運賃は通常の指定席に比べて大幅に安く、関西・中国・四国・九州内を新幹線で移動するのであれば、ぜひ利用すべき切符です。ここでは具体的にいくら安くなるのか?複数の具体例をあげて見ていきます。
区間 | 自由席運賃 | バリ得運賃(通常期) | |
新大阪→九州新幹線→鹿児島中央 | 21,780円 | 15,800円 | |
新大阪⇔山陽新幹線⇔博多 | 14,750円 | 10.600円 | |
新大阪⇔山陽新幹線⇔小倉 | 13,870円 | 9,200円 | |
姫路⇔山陽新幹線⇔博多 | 13,540円 | 9,200円 | |
新大阪⇔九州新幹線⇔熊本 | 18,350円 | 13,500円 | |
新神戸⇔九州新幹線⇔新八代 | 18,380円 | 13,700円 | |
岡山⇔山陽新幹線⇔博多 | 12,100円 | 9,300円 | |
新山口⇔山陽新幹線⇔博多 | 5,170円 | 4,300円 | |
広島⇔九州新幹線⇔鹿児島中央 | 17,470円 | 13,300円 | |
新大阪⇔山陽新幹線+特急⇔松山 | 12,210円 | 11,000円 | |
西明石⇔山陽新幹線+特急⇔高知 | 10,560円 | 9,800円 |
自由席の運賃と比較します。区間によって割引率は異なりますが、約1,000円~5,000円程度安く利用できます。新大阪博多間を例にあげると約30%、短距離の新山口博多間は約17%割引になります。これは自由席との運賃比較ですが、指定席で比較するとさらに割引率は高くなります。
バリ得の特徴(メリットとデメリット)
- 指定席券販売機で購入可能。
購入はインターネットがメインですが、切符の受け取りは、JRの駅にある販売機限定です。
- 往復切符も購入可能。
- 利用日直前までに購入可能。
利用する日の直前日の16時までに購入ができます。~日前などの制約がないので、事前購入が必要な切符の中ではとても融通が利く切符です。
- 1カ月以内の購入であれば座席指定が可能。
利用日の1カ月以内であれば、座席を指定することも可能です。自分の座りたい座席に座れ、他人との相席も避けられます。
- グリーン車も利用可能。
この割引切符は、一部の列車(ひかり・さくら)ではグリーン車の座席が利用できます。通常のグリーン車の運賃よりも安く利用可能です。具体例を1つ下記にあげます。
区間 | 通常運賃 | グリーン車運賃 | バリ得運賃 | バリ得グリーン車 | |
姫路⇔山陽新幹線⇔博多 | 13,540円 | 18,940円 | 10,000円 | 13,500円 |
上記の場合、グリーン車料金として+3,500円が加算されます。通常(自由席)の運賃とほぼ変わらない値段で利用できるほか、グリーン車運賃と比較すると、5,440円も安い値段でグリーン車が利用できます。
- 1名以上から利用可能。
この切符は、1人の旅行でも利用できるメリットがあります。もちろん2人以上からでも購入ができます。
- 飲み物またはお菓子がついてくる。
カフェ・お茶・ポテトチップ・チョコレートから、セブイレブンで1つ選べます。往復で利用する場合は、片道で1つ、往復で1つそれぞれもらえます。
- 指定席のみ、自由席は利用できない。
- 途中下車は不可。指定された区間のみの利用が可能。
利用できる区間は多いものの、地域内での利用や一部の駅などでは利用できない区間があります。四国方面への移動の場合は、主要駅間のみの移動に限定されます。
- 乗り遅れた場合は、後続の列車に乗ることは不可能。切符は無効。
つまり、新たに切符を購入し直す必要があるということです。
- 取り消しは可能。予約の変更は不可、取り消し扱いになる。
予約の取り消し自体は可能で、発券前であれば直前日までにネットでキャンセルができます。発券後の場合は、みどりの窓口へ行く必要があるので少し面倒です。払い戻しはできますが、利用日10日前のなると取消料が20%以上発生します。
なお、予約の変更は基本的には不可能ですが、取り消しを行い、別に予約することで変更が可能です。なお、バリ得はあくまで日本旅行のツアーパッケージの1つなので、厳密には切符ではありません。なので、扱いもツアーの取り扱いに沿ったものになります。
- 速達列車に比べると、移動時間に時間がかかる。乗り換えが必要な場合もあり。
基本的には「こだま」「つばめ」のような各駅列車を格安で利用できる切符なので、速達の「のぞみ」「みずほ」と比べると移動時間は増えます。例えば新大阪博多間であれば速達型で約2時間30分で移動できるものが、各駅型では約4時間30分です。新大阪鹿児島中央のように2つの新幹線をまたぐ場合は、「こだま」⇔「つばめ」の乗り換えも必要になるので、さらに移動時間が増えます。「ひかり」「さくら」を利用するのであれば、その限りではありません。そのため、時間的余裕のある個人旅行の方が適している切符だと思います。
- 関西⇔中国・四国・九州および中国⇔関西・九州間のみ、同一地域内での移動は不可能。
この切符は、別の地方をまたぐ場合に利用できる切符で、関西・中国・四国・九州内で完結する移動には利用できません。例えば、新大阪⇔姫路、岡山⇔広島、博多⇔熊本、高松⇔松山のような移動には利用できません。四国内の移動の場合は、JR四国が提供する割引切符を利用するのが良いと思います。
まとめ
以上をまとめると、格安切符ゆえに、いくつかの制約がある切符ですが、他の格安切符に比べると、直前購入が可能であったり、取り消しも直前まで可能であったりと、融通の利く切符ではあります。新幹線を利用して関西・中国・四国・九州間を利用するのであれば、魅力的でコストパフォーマンスが高い切符だと思います。