大阪と岡山は約180kmの距離があります。両都市間の移動には新幹線と高速バス・JR在来線のみの3つの手段があります。ここでは、大阪駅及びなんば、岡山駅を起終点としてそれぞれの移動手段を比較していきます。3つの手段をおおまかに比較すると以下のようになります。
運賃: JR在来線≦高速バス<新幹線
移動時間:新幹線<JR在来線<高速バス
山陽新幹線
大阪駅⇔JR東海道線 ⇔新大阪駅⇔山陽新幹線 ⇔岡山駅 | グリーン車:8,730円 指定席:6,460円 自由席:5,610円 | のぞみ みずほ・さくら:1時間10分 ひかり:1時間18分 こだま:1時間31分 |
新幹線は山陽新幹線を利用しますが、大阪新大阪駅間は在来線を利用し、新大阪で乗り換えます。運賃は自由席で5,610円になります。これは在来線区間の運賃も含みます。上記価格は、下記割引切符を利用することで、更に安い運賃で利用することができます。
e特急券 | 7,870円(グリーン車) 5,610円(自由・指定席) | 会員制 当時予約可能 |
EX予約サービス | 8,040円(グリーン車) 5,780円(自由・指定席) | 有料会員 当日予約可能(早特は3日前) |
スマートEX予約サービス | 8,590円(グリーン車) 6,320円(指定席) 5,780円(自由席) | 無料会員 当日予約可能 |
こだま指定席切符 | 4,660円 | 2人以上限定。前日購入可能。 |
金券購入 | 8,600円(グリーン車) 6,400円(指定席) 5,520円(自由席) | 新大阪⇔岡山間のみ。 |
新幹線回数券(自由席のみ) | 5,240円 | 6枚綴り、31,440円。 |
学割 | 8,110円(グリーン車) 5,880円(指定席) 5,030円(自由席) | 学割証明必要 |
運賃の幅は4,660円~8,590円になります。この中で最も安いのはこだま指定席切符の4,660円です。次は学割の5,030円、次は回数券の5,240円になります。こだま指定席切符は、山陽新幹線のぷらっとこだまのような切符で、こだま号限定で新幹線を安い運賃で利用することができます。これはe5489のネットサービスに会員登録することで利用できます。前日までに購入が可能ですが、2人以上の利用が条件であり、1人のみでは利用できません。家族や友達と旅行するときに利用できる切符といえます。一方で、1人の場合は回数券を利用するか、学割を利用するか、または金券ショップで自由席切符を購入するのが安い運賃になります。なお、「バリ得」というぷらっとこだまに似た格安切符も販売されていますが、こちらは別枠で説明します。
移動時間は新幹線こだま号以外は1時間以下になりますが、新大阪駅での乗り換えがあるため、1時間10分~30分の移動時間になります。乗り換えの時間は、待ち時間も含めるとおおむね20分~30分程度と見積もっておけばよいでしょう。運行本数は非常に多く1時間辺り5~7本あります。岡山駅は全列車が停車するため、どの時間帯でも時間の融通が利きやすく利用しやすいのが特徴です。
新幹線+宿泊パックツアー・バリ得こだま・ひかりを利用する
大阪もしくは岡山で1泊以上するのであれば、ホテルとセットになったツアーを利用する方法も有効です。これは新幹線もしくは、飛行機の移動と宿泊がセットになったツアーパックで、別々に予約するよりも安い運賃で利用することができます。ここでは具体例を1つあげて見ていきます。
新大阪駅⇔山陽新幹線 ⇔岡山駅(往復・ホテル1泊) | すべて込み 13,400円~ | 別々に予約した場合 新幹線:5,610円x2 ホテル:5,000円~ 合計:16,220円~ |
ツアーとホテルの価格は変動があるので、日によって大きく異なりますが、上記の差額を見ると、個別に予約するよりも2,820円安くなる計算になります。また、ホテルと新幹線を一括で予約ができるので、その分の手間が省けるのもメリットです。なお、上記ツアーは新大阪発なので、在来線を利用する場合はその分の運賃が追加かかることになりますが、出発が大阪近郊であれば、それでもツアーが安いことには変わりありません。
バリ得こだま・ひかり
また、日本旅行が販売しているバリ得こだま・ひかりという格安切符も利用できます。これはは新大阪・新神戸⇔岡山・新倉敷間で利用できる日本旅行のツアー商品で、1人利用可、座席指定可能、前日まで購入可能な、通常価格よりも大幅に安い切符です。価格は下記になりますが、新大阪から岡山間は4,300円で利用できます。この料金はこだま指定席切符よりも360円安く、最安値の切符になります。のぞみ号は利用できませんが、こだまを含めひかり号も利用できるため、安く速く移動できる切符としてコストパフォーマンスが高いです。
岡山 | 新倉敷 | |
新大阪 | 4,300円 | 5,300円 |
新神戸 | 4,000円 | 4,300円 |
高速バス(昼行・夜行バス)
大阪駅・なんばOCAT・USJ ⇔吉備エクスプレス⇔岡山駅西口 | 3,400円 (割引あり) | 3~4時間 |
次に高速バスを見ていきます。高速バスは両備バス・JR中国バスなどが運営する吉備エクスプレスが運行されています。運賃は通常料金で3,400円、往復料金では6,300円、Web早割を利用すると3,000円で乗車できます。移動時間は3~4時間程度になります。基本的に、岡山市内では岡山IC、岡山大学などに停車、また山陽ICに停車しますが、それ以外はノンストップです。運行本数は多く、1日15便以上、1時間に1本運行されています。ただし、大阪駅発着が多く、なんばOCAT,USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)発着は1日数便のみです。大阪駅岡山間であれば、便利で時間の融通が利きやすいでしょう。なお、大阪市とその周辺は、阪神高速、それ以外は山陽道・中国道といった交通量の多い路線を走行します。通常期は、渋滞で遅れることは少なく、むしろ定刻より早く到着することもあります。一方で、休日や行楽シーズンは混雑で遅れが生じることがあります。なお、この区間は夜行バスの運行なく、昼行バスのみの運行となっています。
JR東海道・山陽本線(在来線)
大阪駅⇔東海道 ・山陽本線⇔岡山駅 *乗り換えあり。 | 3,080円 | 2時間35分~46分 |
最後に新幹線を使わない在来線のみでの移動を見ていきます。この場合、東海道線・山陽本線を利用します。料金は新幹線の特急料金を引いた3,080円になります。移動時間は乗り換えの回数によって変わりますが、2時間35分~46分程度、高速バスよりも速い移動時間になります。大阪姫路間、および相生間は快速・新快速が高頻度で走っているのでこれらを利用します。運行本数は多い区間ですが、姫路まで行くのは1時間辺り3本~5本になります。なお、特急はまかぜ鳥取行き、スーパーはくと倉吉行きも姫路まで利用できますが、この場合は、自由席特急券1、200円が余分にかかります。相生岡山間は普通列車を利用します。こちらの運行本数は1時間辺り1本になります。乗り換えは姫路で最低でも1回、多い場合は2回必要になります。相生以西の運行本数が少ないので、姫路・相生で乗り継ぎに時間があると、上記以上の移動時間がかかります。JR西日本の列車は、基本的にクロスシート車両なので、着席できればそれなりに快適に移動ができます。しかし、大阪姫路間は利用者が多く混雑しているので、着席は期待しない方が良いでしょう。
まとめ
上記の3つの交通手段を比較すると、一番運賃が安いのはJR在来線になります。ただし、快適性は決して高くなく乗り換えも必要です。移動時間がもっとも速いのは新幹線で、新大阪での乗り換えを考慮しても圧倒的に速く移動できます。高速バスは在来線の次に安く、割引を利用すれば在来線とほぼ同じ運賃で移動できます。快適性に関しては、乗り換えはなく着席もできるので快適ですが、移動時間は一番かかります。また、渋滞によって遅れることがあります。なお、新幹線のバリ得・こだま指定席切符を利用すれば、4,300円~4,600円で利用でき、かつ1時間30分程度で移動できるので、これが一番コストパフォーマンスが良いです。
移動手段比較早見表
移動手段 | 通常運賃 | 割引最安値運賃 | 移動時間 | 備考 |
山陽新幹線 | 5,610円 | 4,300円 | 1時間10分~30分 | バリ得こだま利用。 |
高速バス | 3,400円 | 3,000円 | 3~4時間 | Web早割1を利用。 |
在来線 | 3.080円 | ———- | 2時間35分~46分 | 乗り換え複数回あり。 |